恩田小学校耐震補強設計
~デザインフィット工法による改修設計~
1)建物概要
- 用途
- 小学校校舎
- 所在地
- 山口県宇部市
- 構造
- 鉄筋コンクリート造耐震壁付ラーメン構造
- 建築面積
- 1231.6㎡
- 延床面積
- 3551.0㎡
- 階数
- 地上3階
- 各階床面積
- 1階859.0㎡,2階795.5㎡,3階799.9㎡
- 軒の高さ
- 12.20m
- 各階高さ
- 1階4.35m , 2階3.85m , 3階4.00m
- スパン数
- X方向25 , Y方向2
2)診断結果
改修前 | X方向 | Y方向 | ||
---|---|---|---|---|
ls | q | ls | q | |
3階 | 1.01 | 2.33 | 1.24 | 2.45 |
2階 | 0.55 | 1.95 | 0.87 | 2.37 |
1階 | 0.56 | 2.00 | 0.26 | 2.16 |
3)改修方法
全ての階でIs値が0.70を下回るためデザインフィット工法による改修を行うこととした。 デザインフィット工法は次項に記載しているように、既設RCフレーム内に鉄骨枠を設け、架構のせん断耐力を向上させる工法である。また、その他の改修方法として、既設壁にはスリットを設け靭性を向上させる事と、、開口閉塞を行い回破壊型の壁となるように改修を行う事で建物の耐震性能を向上させている。
4)デザインフィット工法について
本工法はRCフレームに鉄骨フレームをアンカー筋で固定し、周囲にグラウト(フィルグリップ)を充填することにより既設建物と一体化、耐震性能を向上させるものである。デザインフィット工法は、アンカー接合部にグラウトを充填することにより鉄骨枠に社シャコッターを形成させ、アンカー筋とグラウトにようシャキー効果を期待するものである。またシャコッター内部にはスチフナーを規定量配置することで、コッター内に伝達されたせん断力がスチフナーを介して鉄骨枠から鉄骨ブレースへと伝達されるよう計画している。
5)施工
鉄骨フレームを搬入するために開口部を撤去し、鉄骨枠を固定後カバー工法により再取り付けを行う。また従来デザインフィットフレームは上下で分割し現地にてボルト接合するものであるが、本工事においては1ピースにてフレームを嵌め込み補強を行った。
6)改修後
以上の工程により本改修工事において以下のような耐震性能の結果を得た。また教室内の鉄骨はフランジのエッジが鋭利であるため児童の安全を確保するためにシリコンゴム製のコーナーガードを設けている。
改修後 | X方向 | Y方向 | ||
---|---|---|---|---|
ls | q | ls | q | |
3階 | 0.76 | 2.04 | 0.99 | 2.29 |
2階 | 0.72 | 2.00 | 0.79 | 1.83 |
1階 | 0.74 | 2.58 | 0.87 | 2.00 |